「まあ、そーなるよな」

すっかり快復した雲雀を連れてディーノがリボーンの元へ訪れると、まだ何も言っていないのに勝手に納得された。

「おい、リボーン。お前どこまでわかってたんだよ」

思えば最初から気になることばかり言っていた。
この黒ずくめはいったいどれだけのことを見通していたというのか。

「オレだってわからねぇことだらけだったぜ?」

しれっとした顔でリボーンは言い放つ。

「ヒバリが治療を受け入れるかどうかなんて完全に賭けだったし、お前を選んだのだって可能性の問題でしかなかった」

もっとも、ディーノが雲雀にハマってしまうことは予測済みだったが。

「ま、あとは雲雀の話聞いてりゃなんとなく、な」

まさか雲雀の心まで傾いているとは思わなかったから多少は焦ったと笑う。

「んでも、うちとしちゃ、ヒバリを失うわけにはいかねぇからこれしかなかったってことだし、キャバッローネに悩んでもらえばいいかってな」
「お前なぁ……」

少なくとも誰よりも早い段階でこの結末を予想していたのは間違いが無い。
その上でほぼ放置したということはこれが彼にとっての最善だったのだろう。

「でもよ、リボーン。ってことは、ボンゴレとしてはオレとこいつが付き合ってても問題ねぇってことだな?」
「特例にしてやるよ。……っつっても、そもそもツナがトップなうちは特例も何もねぇだろうがな」

彼の性格からして、二人の気持ちが確かならばそれを阻むことはないだろう。

「強いて言えば、有事の際にどうなるかだが……そもそもヒバリはそんなこと関係なく自由だからな」

ボンゴレでありながらボンゴレでない。
雲の守護者だからこそ許される存在とも言える。

「これで問題一つは減っただろ」
「……まぁな」

リボーンの言葉に頷くものの、ディーノの表情はまだ難しいままだった。

「キャバッローネの連中には話したのか?」
「ロマとかには……」

当然のように困ったような顔はされたが、彼らは受け入れてくれた。

「でも、まだまだこっからなんだよ」

ガシガシと頭を掻きながらディーノは顔を顰める。
問題の数々が目の前に鎮座しているのが現実だ。

「でも、後悔はしてねぇんだろ?」
「まぁな」

ニヤリと笑ったリボーンに素直に頷いた。
散々悩んだのが馬鹿らしいくらい今幸せだと感じている。

「こいつが一緒にいてくれれば……って、おい、恭弥どこいった!?」

すぐ傍にいると思っていた存在が居なくなっていることに気がついて慌ててあたりを見回すと、少し離れたところにあるソファですやすやと眠る姿が目に入った。

「静かだと思ったら……」
「相変わらず自由だな」

腹の上にヒバードとロールを乗せて。
いつの間に捕まえたのかレオンも乗っている。
ついでとばかりにディーノがエンツィオをそっと乗せるとなんだかすっかり御伽噺の世界のようで。

穏やかな空気に、見つめる二人は破顔した。

「なんにせよ、オレは安心したぜ?」

リボーンから向けられた視線がいつに無く優しくて、ディーノはくすぐったそうに肩を竦める。

「少なくともお前の期待には応えられたかな」
「一応合格にしてやる」
「一応かよ」

どこまでいっても辛口な元家庭教師に文句を言いながらも笑みが零れてしまった。

「あとはアイツの期待に応えてやれ」
「それこそ任せておけって」

言われずともそのつもりだ。

この先どんなことがあろうとも彼を手放す気はないし、絶対に幸せにしてみせる。
穏やかな寝顔を守ってみせる。

「ってか、リボーン。前から思ってたけど、お前さりげなく恭弥に優しいよな」
「かわいい孫弟子だからな」
「そうくるか」

二人の家庭教師は顔を見合わせて笑い合うと、再び雲雀に視線を向けた。

一度守りきれなかったその存在。
もう二度とそんなことがないようにと心に誓う。

「オレも出来る限りのフォローはしてやる。……だから、頼むぞ、ディーノ」
「おうよ」

滅多に見せない心を見せて託してくるリボーンに感動すら覚えながら頷く。

もう迷いなど無い。
迷うことなど許さないという存在がすぐ傍にいるのも心強く感じながら。

ディーノは真っ直ぐ前を見据えた。






Fin








いつか使ってみたかった麻薬設定の話でした。
せっかくマフィアなんだし!……と思い立ってのことだったり。
ちなみに本編で触れずじまいでしたが「0号」ってのが薬の名前です……。

エロの為の話だったのに殆どエロく無かったよ。
毎度のことながら話をまとめるのにいっぱいいっぱいなのが敗因でしょう。
上手く話をまとめつつエロい話が書けるようになりたい!






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