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煽られた途中で放置されていた体が反応を示し始めるのは早かった。 口付けている最中に息が上がってきて、手のひらで胸や腹を弄るだけで震えながら身を捩じらせる。 隙間の空いている上半身とは違い密着している下半身からは彼が感じ入っているのを表す高ぶりが感じられて口の端をあげてしまう。 それに目ざとく気がついた雲雀は潤んだ瞳で睨んできた。 「も……いいからっ!」 「まあ、待て。そんなに焦んなくてもいいだろ」 すでに準備は整っているも同じなのだから早くしろと急かしてくるのを宥めながら中途半端なままにしてしまっていた秘孔へと手を伸ばす。 くちゅりと音を立てて指を飲み込むそこは確かに充分に解れているといってもよかった。 「や……ぁ……ん……」 少し弄っただけで簡単に三本の指を受け止めるようになる。 それでもディーノを受け入れるにはまだ狭いような気がして。 指で出来る限界まで押し開いてみた。 「ちょっ……そんな……こ……と」 いままでそこまで開いたことなど無かったからか怯えたような声が上がる。 「ん? 嫌か?」 「……指……嫌……」 「……っ」 目に涙を溜めながら求めるような素振りを見せるのに自身の高ぶりが一段上がったのがわかって。 そろそろ自分も限界かもしれないと感じた。 「……ん。じゃあ、いくぜ?」 組み敷いたその格好のまま、少しだけ悩んで素の状態で高ぶりを蕾に押し付ける。 その意味に気がついた雲雀は目を丸くした。 「ねぇ、まだ……っ」 「うん。でも、いいんだ」 ゼリーの中に含まれる薬物。 雲雀の体を蝕んだそれは僅かにとは言えまだ存在している。 「オレ、耐性あるしな。このくらいなら効いても軽い媚薬程度だよ」 それに。 「もし、これでお前だけにしか反応しなくなったっていいんだ」 そんなのもう手遅れだから。 この先、雲雀以外にその気になることはないだろう。 それほどまでに自分の心はすっかり彼に囚われてしまっている。 「お前だけでいい。……お前しかいらない」 「……ディーノ……っっ!!」 言葉でなんて伝えきれない想いを乗せて囁くのに返ってきたのは、初めて呼ばれた己の名。 一瞬で余裕なんてなくなってしまい、手加減を忘れて押し入ってしまうと雲雀が息を詰めた。 「わ。ごめ……」 「大……丈夫……」 思った以上に受け入れる体勢が整っていたのか一気に半分ほど埋め込んでしまったところで動きを止める。 そうすることで息を吸うことが叶った雲雀は何度か深呼吸をするとディーノの腕に縋るように手を伸ばした。 「動いても……平気だよ」 さっきのは驚いただけで苦痛はさほどない。 そう言うだけあって雲雀の中はディーノに絡みつくように蠢いていた。 「……すげぇ……」 これも薬故なのか、はたまた本来の雲雀の性質なのか。 どちらにしろ気を抜いたら持っていかれそうだった。 「動くぞ」 「ん」 自分の限界が来る前に早く雲雀を高めてしまいたくて、少し強めに動き出す。 抜き差しを繰り返すうちにゼリーの滑りも相まって自然と繋がる部分が深くなっていた。 「あ……あ……っ! ん……ディ……ノ」 「恭弥、恭弥……」 名を呼び合うと体だけでなく心の中まで熱くなってくるように感じる。 「ふぁっ! あっ……深……」 誘い込まれるがままに最奥まで自身を突き刺すと雲雀の体が大きく跳ねた。 ピンと伸ばされた爪先がその衝撃をよく表していて。 「あ、あ、ぁ……僕……もう……」 奥を貫いたまま揺らしてやるとビクビクと体が震える。 直接触れることをしていなかった筈の前の高ぶりも極まった姿を見せて、しとどに濡れている。 快楽が強すぎて長く持たないのはディーノも同じだった。 多少は薬が効いているのかもしれない。 だとしても、こんなにも爆発しそうな状態を抱えながら誰かと交わったのは初めてのことで。 「いいぜ、我慢しなくて」 むしろ、自分の方が先に果ててしまいそうで遠慮なく雲雀を追い上げる。 「……や……あ、あぁ! んんっ……ふっ……ぅ!」 腰がぶつかる音と伴って起きる濡れた音が大きく響くのに合わせて、雲雀の嬌声も高まっていく。 「ひゃあぁっ! んんんっ! ……っ!」 腹の間で擦れていた高ぶりに手を這わすと一段大きな声が響いた。 そこでは解放を堪えたものの、すぐに体中が震えだす。 「イ……く……」 「ん……オレも……っ!」 限界を訴える声にひときわ大きく腰を動かした。 「っっ!!」 一番奥まで届かせたところでディーノが果てるのと同時に雲雀も白濁を吐き出す。 強すぎる快感の余韻が長すぎて二人ともしばらくそのまま動けなくなってしまった。 「……こりゃ……ヤバい……」 雲雀に圧し掛かった状態のままディーノは呻く。 気持ち的なものは当然だが、想像以上に体の繋がりが良過ぎて本格的に雲雀以外無理な気がしてきた。 「どうしたの?」 「や……なんていうか……」 何か問題でもあったのかと問いかけてくる雲雀に曖昧な笑顔を返す。 今更引き返せるとは微塵にも思っていないが、どうしようもないほどにどっぷりと浸かってしまった己を自覚して胸の中に苦いものが広がるのを感じた。 「……お前、うちに来る気……は無いよな」 「……そこまではしないよ」 元々自由を愛する人だ。 束縛できるとは思っていない。 「あー、でも、離れたくないぃっ!」 好きでどうしようもないことを認めてしまったら更に出てくる問題点。 「…………あんまり鬱陶しいと気持ち変わるよ」 「嫌だ! それは嫌だ!」 子供のように喚くディーノに雲雀は眉間に皺を作って溜息を吐く。 「ディーノ」 「……はい」 雲雀の低い呼びかけに身を小さくして返事をするディーノ。 どちらのが年上かわからなくなるような状況。 ようやく動くようになった体を押し上げてベッドヘッドに背を預けた雲雀は己の腹の辺りにあるディーノの髪をそっと撫でた。 「……僕には、あなただけなんだよ。だから、どこへ行っても必ずあなたのところへ帰ってくるから」 それでは駄目なのかと見詰めてくる瞳にディーノは顔を真っ赤にして首を横に振る。 「いや、充分! ごめん、ガキみたいなこと言って」 おそらく雲雀にしてみたら最上級の愛の囁きに子供じみた自分を反省した。 「オレも……いつだって待ってる。どんな時でもお前が帰ってきたら受け止められるように」 言ってしまえば自分だって全てを雲雀に捧げられるわけではない。 それでも彼が何も迷うことなく帰ってこれる場所でありたいと思う。 「愛してるよ、恭弥」 囁いたその言葉に、同じ形での返事は返ってこなかったけれど。 触れ合わせた唇から伝わってきた気持ちは同じものだと確信できた。 |